住宅やマンションなど「リフォーム」についての悩み相談があったので
改めて僕の考え方をザックリと事例を交えて提案してみます。
1.まず200万円~300万円程度でできる事を考えましょう。
いきなり大金を積んで大掛かりなことを考えるより、身近な金額
(ちょっといい車の値段)くらいで何ができるかをつかむ事が大切です。
2.そしてあと幾ら足せばどんな事ができるのか、もしくは何をやめれば安く
すむのか。こんな風に内容を詰めていきます。
3.内容を詰めるにあたって、「今しかできないもの」と「後でどうにでもなるもの」を掴んでおく必要があります。減額するときは「後でどうにでもなるもの」から手をつけましょう。お金に余裕ができてからやれば良いのです。日曜大工でやってもOKというのも「後でどうにでもなるもの」に含めていいと思います。
4.注意しなくてはならないことは、リフォーム工事を始めてから壁を壊したら土台が腐っていたとか断熱材が湿気てグズグズになっているということが時々あります。これは「今しかできないもの」かつ「工事してみないとわからないもの」です。
こういった事に対応できるように予算は2割程度別に持っておく必要があります。
通常、壊してみないとわからない部分は見積書に含まれていませんので
気をつけねばなりません。ギリギリの予算でリフォーム計画をしてしまうと
「予算がそっちに取られてキッチンが買えません」ということになります。
5.「今しかできないもの」とは「構造」などで体で言えば「骨格・臓器」です。
そして「後でどうにでもなるもの」とは「インテリア」であり、「お化粧」の部分です。
お化粧のノリを良くするには、体の内部から改善するという順序を守るのが
よろしいかと思います。
では200万強くらいの予算でどの様な事が出来るのか、という
キッチンのリフォームの事例をひとつ紹介します。
【リフォーム前】

[外観]

[内部]
システムキッチンを新しく入れ替えたいとの依頼でしたが、よくよく話を聞いてみると問題は収納力と部屋の構成上ダイニングへ直接出入りできないので
料理の持ち出しが面倒という不便な生活動線の2点が問題点でした。
【打合せの中でわかった悪循環】
家具とキッチン、ダイニングとの使い方の関係が整理されていない。
↓
物がどんどん外にあふれ出す。
↓
何を買ったか、食材をいつまでに使わなきゃならないのか把握できない
↓
あるかどうかわからないし、探してみると賞味期限が切れていてまた買う
↓
不経済!でもしょうがない。買うからまた物があふれ出す。
↓
物があふれ出したキッチンで料理をするのが苦痛。楽しくない。
綺麗にしたいけど忙しい・・・。
食器や鍋も沢山あるのに、実はいつも使うのは一緒だ。
というわけでこんな風に計画しました。
【リフォーム後】




工事期間 1週間
やったこと 床:フローリング張替、床下収納の改修
壁:壁新設、クロス貼、タイル貼、柱籐巻き
天井:クロス貼
設備:キッチン一式
電気:ダウンライト、キッチンライト、コンセント追加、IHによる分電盤変更
造作家具:シンク上部食器棚、作業カウンター兼食器棚、カウンター上部
食器棚兼飾り棚(家具照明付)、
(キッチン側とダイニング側両側から使える家具にしてあり
家具にコンセントを仕込んで炊飯ジャーやコーヒー
メーカー等のコードの取り回しが床に這わないよう
にした。)
これで200万円強くらいです。大体感じが掴めたでしょうか。
ことキッチンに関しては設備機器・電気・家具などお金がかかる部分が多いので
坪単価がアテになりませんが、居室の改修であればもっと色々できるかと
思います。
なお、注意点としてこの住宅にも当てはまりますが木造住宅で大事な柱部分。
構造計算と構造バランスを考慮して大丈夫であれば柱は取ってしまいますが、木造住宅で不要な柱ってほとんどないと考えたほうが良いです。(古い住宅で建築基準法が古いもので作られているものは特に!!)
リフォーム工事会社に直接依頼をした場合、施主に言われたとおりに施工するために構造的な検討を十分にせず柱を切ってしまう工事会社がいますので注意が必要です。直接依頼する場合は必ず設計上考慮されているか確認しましょう。
設計事務所=考える仕事=釘は打てません(笑)
工事会社=造る仕事
という仕事の住み分けを仕事依頼の際に頭の隅においておきましょう。
某TV番組では番組の絵づら上、考える仕事の人が家具を作ったりと
仕事の住み分けがゴッチャになってますが日曜大工的なお手伝いとしては
あってもプロの仕事として施主に引き渡すという性質のものにおいては
ああいう状態はありえないことを知っておく必要があります。
こんな感じでいかがでしょうか。以上宣伝でした(笑)。